耳を食べる。/f.luna
 


エナメルで拙く染めたら指先が赤くたわわにはじけていった



別離なんてこわくもなんともない昨日耳を小さくちぎって食べた



あなたに告げられた一声で包丁だけがぼうと明るかった夜



大丈夫としか言えないことを太ももの隙間抱いてみていた



人称としてのあなたに焦がれ一月一〇日の二行目で転職



心臓のこえに塞がれるのは厭 毛細血管間引く夕暮れ



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