彼女と彼女/美砂
 
青い色、胸底でからむ
糸は しんなりよわよわしく
しかしどうやったら、というほどに
むすぼれてしまって
ほどけようもなく

手と手をとるとき
ふたりは
どこにいても
山の奥を感じる
それはまた
胸の奥でもある
そういう場所を
折りにふれて
ひきつれている

ひとりが「あ」という
それだけで
頬がそまってゆく
オフダを
思い出す
オフダが
燃え上がる様を

山の奥で

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