切り取る/ask
隣の駅の「肉のハナマサ」まで歩いている途中の酒屋さんの店先で、くたびれた薄い茶色の背広を着た初老の男性がアイスのケースを探っていた。
青いパッケージのモナカを手にし、小銭を探る。
その、猫背のフォルム。
なんなのか、
それを見た私は非常に安心した。
夏、という大きな輪郭を感じたからなのか。
私も、その男性も、或いは小銭を受け取る店主も、
誰もつながっていない、バラバラの要素に過ぎず、
知らないひとだらけの都会の真ん中でひとり生活をする私は
時々その事実に耐えられなくなる
思考世界へ大きく偏る方が安全だと
「詩はもっと自由であるべきだ」などという
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