廻る第三惑星/葛西曹達
一日二回
同じ時刻を針は差す
空に穴がぽかりと空いて
金色の真円を描いた
木曜日のジュピター
金曜日のヴィーナスに
勝ち誇った顔で笑われる
一日三回
大量の糧が喉を通る
夢に至るまでは
目が離せないのだ
火曜日のマーズ
月曜日のムーンに
託されては困り果てる
一日五回
無機質に挨拶を交わす
床に臥した体で
望月に照準を合わせる
水曜日のマーキュリー
土曜日のサターンを
待ち焦がれて遂に泣く
日曜日の燃える太陽
宇宙の中心はいつでも
孤独な寂しい光を放つ
この身焼かれるまで
僕らは日々近づいてゆく
一日一回
廻る第三惑星
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