49番目のひと/恋月 ぴの
 
か感動してるのかも知れなくて

私があの子たちの頃って何してたんだろう
たまには勉強してた記憶あるけど
彼らのように夢中になれることあったのだろうか

あれこれと化粧品みつくろってはみたものの
欲しいなって思える出逢いには恵まれず
ドンキってどうよだなんて買う気満々肩透かしで
手を振る笑顔に見送られながらエスカレーターに乗った

中央通りに出れば季節外れの冷たい雨降っていて
街かどに貼り出された渡り廊下走り隊のポスター脇では

明日の自分を夢見る少女がひとり傘もささず
メイドさんのかっこしてお店のフライヤーなんか配っていた




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