晩春/初夏/はるな
光の輪を頭にひとつずつのせて こどもたちは 昨日をすこしずつ食べている ひとりひとりが 光の輪を頭にのせて
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肌を投げ売るきせつのこども わたしたちは いつそこを出たのかしら 皮膚をこんなに厚くして 肌をこんなに渇かせて いつからそこを 出たのかしら
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うつむいてみる 水面は きよくゆめをうつし ふと目をあげれば 煤けた空がちいさくうかんでいる
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赤色も 青色も しまっておこう 空と 海と それぞれに
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ひかりを集めた 指先が きょうはひとつの円を描き あしたには澄んだおとをあつめる
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