冬と色/木立 悟
 







硝子瓶つかんだ手首鳴りひびき緑に映る偽りを燃す



月の角おのれを穿つかがやきのなんという蒼なんという蒼



からだから離れる痛み目の痛み光とまらぬ光すぎゆく



さだめ無き行方をしるす夜の水ふたつの影絵ふたつの無音



時は色さえずる穂さき波となりただ吹きすさぶむらさきの道



空が降りまた降りそそぎ水たまり消えた境のかたわらをゆく



こがねいろ手のひらあふれ海を越えたどり着けない浜辺ひそやか



片目から片目へ時間はばたいて季節を季節に連れ去ってゆく



天と地をはじいてやまぬ冬のうたなお凄まじき凄まじき色





















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