霧のみち/しべ
 
る色は昨日の
透き通った
薄緑の花

水仙の
それに よく似て
慎ましい



はためかせ

しかし
灰白の島には わずか
届かない



人も
もどかしくじたばたと

田の中覗く手風よけ に
細っこい指
あてて

輪唱
川底響かせて




いましがた
ガタタと静まり
鉄橋が
今朝の仕事を終えた

心音で締めくくり
小さな
眠りに落ちる



今も
粘つく空に
カラカラと
泣く

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