プロレスとうちゃん/板谷みきょう
 

「それなら、僕も兄ちゃんと
パパに連れてって貰ったよ。
板谷クンは、何番目の席に居たの?
暴れながら出てくる時、怖かったよね。」

ボクは二階席だと言えなかった。

暫くすると中島公園には相撲巡業があって
汗だくの名前の解からない力士達が
泥で汚れた白いまわし姿で涼んでいた

大友君は
プロレスも相撲も見に行けてたようだ。

あれから四十年以上経って
大友君とも、もう会えなくなってるけど
ボクは父と同様にプロレス好きになっている。

ただ
父と違うのは、恥ずかしい思いを
引きずりながら
未だに
プロレスを見ることだ


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