血のあがき(三)/
信天翁
つつじの季節が訪れた
アベニューのまばらの路肩に
鳥待月は「昭和の日」
北からのかぜが西みなみのかぜに変って
白髪を一挙になびかせる
白骨の丘へと
にびいろの四次元を償却するために
だが
おまえはなにもみえない
きこえない
誰かしらが狂った脳波をしずめる
丑の刻のしじまのように
戻る
編
削
Point
(2)