夜めぐる夜 ?/木立 悟
路も火も
同じ色に鳴る
水に重く
奏で 浮かぶ
目に映る指を 曲線を
たどり迷う二乗の夜
ひとつのなかにふたつが笑むとき
どうしようもなくひとりを喰むとき
背のびをするくちびるに
花が花が降り来るとき
うたうことも
話すことも
からだを透り
雨のあとを追う
原を踏むものもまた原であること
星の自転に結ばれた弦
つまびくもの つまびかれるもの
同じであること
多くの約束ごとを破り
明けの光を浴びられぬまま
鉱の鉱の
鉱のまばたきを巡りつづける
戻る 編 削 Point(7)