夜めぐる夜 ?/木立 悟
 
路も火も
同じ色に鳴る

水に重く
奏で 浮かぶ
目に映る指を 曲線を
たどり迷う二乗の夜

ひとつのなかにふたつが笑むとき
どうしようもなくひとりを喰むとき
背のびをするくちびるに
花が花が降り来るとき

うたうことも
話すことも
からだを透り
雨のあとを追う

原を踏むものもまた原であること
星の自転に結ばれた弦
つまびくもの つまびかれるもの
同じであること

多くの約束ごとを破り
明けの光を浴びられぬまま
鉱の鉱の
鉱のまばたきを巡りつづける



























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