Smith said nothing / ****'99/小野 一縷
り
町を抜け 息を切らせて 夕焼越して
丘を越え 息を切らせて 夕闇抜けて
ずっとずっと 何処までも
ぼくは
生きてゆくため以外 彼女なんて
必要としていない
手に手をとって生きてゆこう
彼女は
死んでゆくため以外 ぼくなんて
必要としていない
手に手をとって死んでゆこう
凍死した 小さな詩人の 白い体
大きな瞳の鋭さで 守ってる
あの子は 一度も
「愛してる?」って聞かなかった
心に茨を持つ少女
戻る 編 削 Point(6)