旅記 '04 / ****'04/小野 一縷
はじめに 言っておく
これから 乱雑で 長く 暗い 旅が始まる
生き急いでいる奴は
目を閉じて 耳を塞ぎ 無言で 通り過ぎろ それが無難だ
鼻を突く薄荷の刺激で辛く現れる
細い影 翻る
空白に輝く黒は 鋭く描かれる文字列の指定色
黒檀のように輝く星が 渦を巻いて黒々と燃えている
黒髪の太陽神が流す 黒い涙 暗い沈黙が
吸気 圧縮 (上死点) 爆発 (下死点) 排気され
一連の四拍子 心地好い鼓動となる
黒い肌の天使 V型の燃焼機関 鋏の翼の金切声で空を切る
その空間は 光速で切り裂かれ 粒子帯域として 微分される
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