土曜出の空/番田
心地いい。悲しみを何でもないこととして想像もしないことを考えている。死んでいけばいいのだが、ひどく疲れ果てている。そうしたことをのんびりとした平日の日に休むと言っている体だから、気が引けてしまう。新参者の俺だけれど誰に会うにしても土曜日出勤を割当てられている。家に閉じこめられている。だから行きたい。地獄の川に行って白い浜辺を流れればこんなふうにさすらい者になれるから。幸せだから俺は死にたい。
誰も知らない群青の丘に登ると、ビーズの歌を叫んだ。もうありはしないアルバムの売れなかったやつだった。売れなかったけれど、中学生の頃に借りてきていたのだと黙り込みながら風に吹かれていた。ギターを持たないプレスリーのまねをしながら車を欲しがっていたような気がする。目指すんだぁー!遠くの街を。乗ろう、俺は昔歩いた道に見えているその車に立たされているのかもしれない。分かち合っていた気のするジャージを友達と脱いで繰り返していたっけ。いつも他愛もないジャージを着させられたぼくの本当の言葉を。
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