ないよりマシ/ホロウ・シカエルボク
 



内臓に潜んだトリガー、獣のスタイルで被膜に風穴
傷物から逃げ出した血液が吐き出される夜
瞬間、自分が霊体に変わるみたいな
肉体の感触を惑わせる冷汗の数
ストレイトな衝撃以外の、数匹の小さな虫が
ゆっくりと食らうような障害、寝床に逃げ込むのは
もう少しあとにしようぜ、なあ
こんなままじゃどんな温かい夢も寄ってきやしないさ
強い太陽が枯木の影を地面に焼きつけるみたいな
モノトーンのコントラストみたいな予感
急激な春に手も足も出ず
ねばついた唾を飲み込む瀕死の睡魔
記憶と、未来が痙攣を繰り返して
もうすでに死様がそこにあるみたいだ、路地裏の
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