酸欠な魚/
緋月 衣瑠香
言葉が喉につまる
いずれ酸素濃度が薄くなり、窒息
夜に溺れる魚
月明かりに照らされて踊る舞いは
小さいながら最大のS.O.S.
その口から漏れるのは
儚く消えていく泡沫
破裂する寸前に聞こえるのは
どうしようもない自己嫌悪
舞台で舞う魚は
静寂という客を正面に
星になる
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