夜めぐる夜/木立 悟
 
れる


道の冷点を踏み進む音
骨でもあり 流木でもあるもの
足下に鳴る光
夜に夜に還る光


差しのべては葉となり
満足の失い針となり
生え落ちる羽のための
色褪せたひとつの墓となり


積乱雲に向けて
砲撃は開始された
片目のむらさきはなくならない
どれほど蒼が砕かれたとしても


空白に当たり
風は落ちる
土は豊かに
光は文字に


むらさきは緑の夢を見た
傷は傷のまま道をゆく
鳴り止まぬ夜へ
鳴り止まぬ夜へゆく


























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