やがて憎しみは/久亜麻ジュン
 
あなたを象る言葉を

ぼくは決して忘れまい

そう遠くはない昔に

ぼくらは憎しみを分け合った


あれだけの激しさを過ごした後で

こんなにも静かで美しいあなたを

いま見つめているだけのぼくは

とりとめもなく恨めしかった


憎しみはやがて

優しさに変わる

それが二人だけに分かり合える

隠された言葉なのだと信じたかった
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