無題/xxxxxxxxx
 
その方法は、
簡単過ぎて、直截的過ぎて、
何も伝え得なかった。
それで満足だとも思った。
その満足は、
流れる星よりも、
儚かったけれども。
けれど目覚めたそれは、
確かにあなたを指していた。
確かに、
この肌が、
この舌が、
この耳が、
この眼が、
それを捉えていた。
どうしようもないくらいの
確信、だったと思う。
今ではその感じを思い出せない
けれど。

音楽。

そう、音楽がそれを再現してくれる
唯一の装置だ。
だから僕は、
同じ音楽を何度も聴くんだ。
一度経験したものを、
再び経験するのは、
一見無駄だけれど、
そのときにしか感じら
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