無題/xxxxxxxxx
それは深い眠りだった。
始めからそれは眠っていた。
そう、生まれた時から。
17年間眠り続けてきたそれは、
ある日唐突に目覚めた。
それが目覚めることを、
知識としては知っていた。
あるひとはそれは歓喜に満ちている
と言った。
あるひとはそれは苦痛に満ちている
と言った。
それらはどちらも正しかった。
ヒトとは容易く論理の枠から
外れるものだと知った。
それが目覚めてからは、
試行錯誤の毎日だった。
初めて自分の世界が、
ただひとつのものではなく、
数ある中のひとつだと知った。
どうやって他の世界と
接続するのかが知りたかった。
それは始め容易に思
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