天は円なり、地もまた円なり/済谷川蛍
 
 こんばんわ。いまパラオの海岸から沈む夕日を眺めています。地球って本当に丸いんですね。まるで手が届きそうな距離にあるんですよ、天国が。

 胸の奥底に溜まっていた涙が止まらない。
 神々しく輝く壮麗な雲が聖なる調べを奏でているとすれば、まさにこのようなものだろうという、神の歌。恍惚のヴェールを身体に巻き、ほとんど唇を動かさずに。息吹が穏やかに僕を包むのだった。もう緊張しなくてもいいのだ、と。
 ラテン語のような美しい言葉を理解出来ていることからして神妙な力が働いていた。宝石箱のように静謐だった。
 「低徊を趣味とする者にとって他者の成長や恋の話はいつも空しくあります。なぜ人はよく笑うのか
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