汽船が赤い円を残していく/番田
俺は船をもみ消された
何でもなくなった その金色だった
この俺の なくならされただろう 世界を
イメージとして その色彩に立ちつくしていた
道を立ち止まる 小波ですらもなくなった 俺の
何ですらもなくなった 情熱を
歩いていく だから俺は 心地良くて
人と 霧雨の川縁で会う その場面はない 畜生
俺でいる窓なのだろうかと 死んだ
そのことに疲れた けれど なくなろうとしている
繁華街なのかもしれない
散歩に出かけようとした けれど
何ですらもなく つっぷしていた
夏であればいいのだと 君の消えた
スライドに組み立てている テントを
僕は遠い海の 彼方にいる
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