ガールフレンド/済谷川蛍
の住人のベッドが、本棚の位置にないことを祈る。彼女は俺と同様にまったくTVを見ないタチだった。3日ほど経って、俺は1つ提案した。
「なーに?」
「俺は彼女がいないんだ」
「うん。知ってる」
「俺の彼女のふりをしてほしい」
「はぁ〜?」
「彼女がいたほうが、女の俺の見方が変わると思うんだよ」
「それって見栄はりたいってこと?」
「まぁ、それもあるけど。で、ネットにキミとのツーショット写真載せてもいい?」
「はぁ? マジありえんし」
「じゃあ今すぐ出てってくれよ」
「調子くれんなよ」
ゆとりかよ、と呆れた。こんなに会話したのは今日
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