くだらない詩のはなし/メチターチェリ
了Uナニ
となりでくだらない詩を作っている
きみは聞こえないふりをして漫画を読んでいる
表紙を彩る淡いタッチの海岸 紡木たくの名前に
否応なく豊かな詩性を認めてしまったので
きみにこれ以上詩のはなしをするのはよそうと思う
それでももちろん 作ることを止めたわけではなく
くだらない詩でもいつか活字にしたいと無邪気に考えている
その時きみはとなりにいるのだろうか
窓から漏れ聞こえる巷の声を
切ったり張ったり ペーストしたり
渦巻き乱れることばの世界で きみも彼らも
何はともあれ自由と平和を享受しているのであった
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