海を渡る狼/クローバー
き込む
仲間を求めた、地球は、眼球
ハッブルの望遠鏡が、素晴らしいレンズで
無くした右手を探している
白い獣が、溶けていくように
追われてしまう、赤い入り江に
神は私か、声は詩か
冷えていく身体に失われていく血を見て
見つからないまま
途方に暮れたあの繋ぐもののない手は
冷えていく
涙しか私を守らないように
私の声しか聞こえないように
誰のことも、聞かなくて良いように
百頭だての狼が、私のために砕ける
いつまで在れば、私の身体、白くなれる
猟犬になれないままに、砕け散る放たれた狼
ホームズのようには見つけられない
愛と叫べば、最短の君
ラジカセ
ボリュームを最大までひねって
耳を埋め尽くせ浜をかじる狼
もう誰のことも、聞きたくないんだ。
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