黄色い日/salco
 
起きると窓が黄色い。雪になるか、黄砂なのか。春が近い。こんな日には自分を埋めてしまいたい。写真の中に戻りたい。

暗い台所。ブラインドの埃。空っぽの鍋、白い皿。ひび割れた唇を触れてみる。血と牛乳。耳の奥から聞こえる知らぬ女の声。

髪を梳く。ブラシと毛髪が擦れ合う音で長さを測る。長い毛は何本も抜け落ちる。私は喋らない。もう何年も。これからも。

公園にブランコが無い。子供達も消えた。子供時代が撤去されたのだ。危険な欲望だけが徘徊している。所有と破壊の。

シーツの上では男と女。終日性交を繰り返す。しみだらけの背中をたるんだ腿がはさんでいる。病んだ喘ぎ、天国の直径。

私達はくっ
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