記憶の場所/ミツバチ
 
幼い頃何度も遊んだ
川の上流
大人になっても
いまだに何度も夢に見る

里帰りをしたとき
久々に行ってみようと思い
散歩道がてらにあの場所へ
田んぼの中を歩いていく

吹き抜ける温かい風
鳥の鳴き声が響き
可愛いれんげには
蝶々が舞っていた

蘇る幼い日々
家族みんなで遊んだ
あの場所
足取りも軽く鼻歌まじりに
心弾ませて向かってみれば
辿り着いた先は…
貯水地に変わっていた
あの頃の面影は何処にも無い



寂しかった
こんな田舎なのに
月日とともに変わるなんて

昔の記憶と重ね合わせられず
悲しみを抱えたまま
私は貯水地の前に
ずっと立ち尽くしていた

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