楽/蒲生万寿
 
朝日の中

過去も未来も無く

大気は喜びに満ち

夕焼けに澱(よど)みない

生命のあり方を知る

清らかなる手をして

心に触れようと

誰もが望むが

赤子の如く

無心の微笑みは

悲しみと恐れの力に抑えられ

生き様の敗北をその顔に映す

歌えよ我ら

笑えよ我ら

横たえる処の無き身なら

自ずから立ち

夢を裂け

目に映るものは消えゆく

耳で聴く音は届かぬ

我ら何処にも行かず

何処からも来たらず

ひたすらに楽しみ深める

我身一命

何彼の隔て無く

心より楽しい

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