風車のための散文詩 /****'04/小野 一縷
 
の灯火 
 おまえ達 精緻な揺らぎを保つ 事態よ)



小高い丘から 燃える 無人の街を 眺める
膨大な熱の量 莫大な光の放射 紅の純度が高鳴る
夜は更に黒く焦げ その暗幕を絶対的な闇とする 
狂ったように 浮遊する 陽炎どもが燻らす 滲む舞台に 降り立ち 
そして焔と共に 広大な影絵を 恍惚と演じる



(満月の 夜潮のように 満ち足りて)



「風化せよ」 



(かつて 私を捕らえていた容器
 その 骸塵よ 風に紛れ そして 再び 風車を 回せ)
 



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