風車のための散文詩 /****'04/小野 一縷
の灯火
おまえ達 精緻な揺らぎを保つ 事態よ)
※
小高い丘から 燃える 無人の街を 眺める
膨大な熱の量 莫大な光の放射 紅の純度が高鳴る
夜は更に黒く焦げ その暗幕を絶対的な闇とする
狂ったように 浮遊する 陽炎どもが燻らす 滲む舞台に 降り立ち
そして焔と共に 広大な影絵を 恍惚と演じる
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(満月の 夜潮のように 満ち足りて)
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「風化せよ」
※
(かつて 私を捕らえていた容器
その 骸塵よ 風に紛れ そして 再び 風車を 回せ)
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