空に近づけたことで少しは救われることもあるだろうか−道3−/……とある蛙
 
春の空に近付けたことで

もういいやと思っても
いつだって、いろいろ言われたりして 心が折れる。
気持ちが弱くなる。
心の中で考えれば考えるほど 辛くなる。涙が出てくる
誰も知らない辛さ 誰にも言えない惨めさに
ごまかす積もりは無いが
忘れるために空に向かって歩きだす。

その道は坂道だけど
坂を登って行くうちに消えてしまう
忘れてしまう言葉もある。
しかし、心の中では拭えない言葉
それでもまた思い出しては
心に積もり積もって
悲しくて仕方が無い。

峠にたつと空にはぽっかり雲が浮かんでいて
空に近付けたことで少しは救われることもあるだろうか
それに向かって流れるたくさんの人がいる
自分もその中の一人だ
空にはぽっかり雲が浮かんでいて
空に近付けたことで少しは救われることもあるだろうか。
下界では街の喧噪があり、また元に戻ってしまうかも知れない

しかし、
空に近づけたことで少しは救われることもあるだろうか

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