人形と歩く/ヨルノテガム
 











 唇の裂け目から
 こぼれ落ちゆく食べカスやら幽霊やら、
 その一部始終をキャッチする


 雑踏の肩と肩とをすり抜けていくのはジュゴン、
 あの手触りは人魚、ダッチワイフのような
 くち
   の
    あいた
       「人形」の、
         生まれ変わりではないかと
        思える
      『或る女』が
    制服を着て
   働いて
 いた


 わたしは恋をすると目の色が変わるので
 それがよく伝わるよう女の行動を追った
 わたしは生まれたばかりのヒヨコのような
 気持ち(
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