倫理について/吉岡ペペロ
 
おとなになってから

倫理をふみつぶして歩くことが多くなった

仕事も人間関係もそんなことが多くなった

大義名分なんてそんなあるはずもなく

屁理屈と意地と感情でそれを選んでいた

倫理を考えるとつきまとう言葉があった

悲しみだった

哀しみではなく悲しみ

悲しみという感情だった

悲しみをふみにじるのがこわかった

こわいもの知らずのそれが正体だった





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