砂漠/たもつ
 
桜の枝を折ったジョージは
一生砂漠の砂を数え続けるという
罰を受けた

ああ、それならいっそのこと死刑にしてください
そう懇願したが

いやいや、罰とはそういうものなのだ
裁判長のこの一言で閉廷となった

ジョージは毎日毎日砂漠の砂の数を数え
自らの死を望んでいたけれど
やがて自分がしていることの尊さを知り
いつしか
この砂漠の砂の一粒になりたいと
思うようになった

そして、気付けば
ジョージは砂の一粒になって
風に吹かれていた

砂漠を構成する砂のすべては
このような魂でできており
だから、砂漠は
果てしなく尽きることがないのである

ここま
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