欠席哀愁/久亜麻ジュン
 
エラそうにする人は嫌われる

嫌われるほどではないにしても疎んじられる

疎んじられるほどではないにしても避けられるのが常だ


だけどそう見えてしまうかもしれない状況を

演じなければならない時がある


エラそうに見られていた人が

席を外したとき

残された人たちの笑いの軽さに

去っていった人の無言の重さがのしかかる


途端に空気が和らぎ

ほどなくして

張りつめた世界は弛緩する

ぼくは彼に戻ってきて欲しいと思った
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