『サファイアの星』/東雲 李葉
ごらん、夜が更けていくだろう。
星が散らばり輝くだろう。
あそこにはもう誰もいないんだ。
歩いたそばから道が消えていくのさ。
きみの小さな手のひらがその光を捕まえたときには、
するすると細い指の間をすり抜け、
暗い地面に落ちてしまう。涙みたいに悲しい速さで。
この話も重ねられてく記憶の中で、
端の方に追いやられ、やがて埃で見えなくなるだろう。
構わないさそれでも僕は。
きみの世界にたった一筋、か弱い光を投げ掛けられたら、
それだけでもう、生まれてきてよかった。
濃紺にまぎれてしまいそうになる光源。
群青色の輝きを何億光年先のきみへ。
薄灰色のベールをくぐればまぶしい瞳に逢えるから、
淡い光、受け入れて。
還る場所はきみの手のなか。
こぼれ落ちる涙が地球の肌を滑っていく。
戻る 編 削 Point(2)