春の席(春について6)/クローバー
分以外は、悲しみである
指を伸ばすのは、
捕まえられない物にばかり
落ちた物には、
宿らない物ばかり
椅子が与えられるのは、
指をつないだ物にばかり
不自由な言葉を操っているつもりが
言葉に不自由に操られている
ほら、よく見てごらん
すべての指には、糸がついている
遠くから呼ぶ声がする
指は、回転しながら降りていく
仲間のいないモンシロチョウ
席も与えられないまま
留まり方すら忘れていった。
(シェフ:どちらも、メインは春です。
毛色の違う物を用意いたしました。
多少、見苦しい部分があるように思われますが
いかがでしたでしょうか)
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