ちいさな落ち葉/天野茂典
 
  帰りまでなんにもいわなかった
  ぼくが係りで洗面台をあらっていると
  あ 水にぬれてる
  ととんできて
  ぼくのヨットパーカーの裾を
  まくってくれた
  いつものようには
  あまり会話もしなかった
  天野さんは
  詩がおじょうずうね
  耳にのこるいつもの一声
  それだけだ
  それだけ
  それでいいのだ

  ことばはいきている
  血がかっよっている
  おたがいに意識したのではない
  でもなにかが通いあったのだ

  しんなりしたあなたも
  ぼくは好きだ

  ぼくはあなたを抱きたくなった
  卵のように・・・

  愛は光の卵なのだ!


  あなたよ!


                    2004・10・4   

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