ちいさな落ち葉/天野茂典
ー浅野悦子さんにー
あなたにささげた
一篇の詩が
あなたのこころに
着地した
しおらしく
喜んでくれたのだ
くものように
ふんわりと
それはぼくのこころにも
軟着陸したのだった
あなたよ
ぼくのこころの南極を
オーロラでかざってくれたのだ
あなたはぼくのフロッピーから
じかにプリントアウトしたのだ
『旅の宿』を
そうして読んでもいいかときいた
それからあなたはしんなり
したのだった
いつもとちがう
やわらかなあなた
あなたは質問があるのといったが
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