狂気の愛/天野茂典
 
  狂気の愛


 白髪の拳銃
 を書いたのは
 シュールレリズム宣言を発表した
 アンドレ・ブルトンだ   
 彼には『ナジャ』という
 優れた純愛小説がある
 最後に彼女は精神病院の鉄格子のなかにきえてしまうのだが
 ひとつの愛の姿が白熱している
 人間なんて ララララララララ
 と歌ったのは吉田拓郎だが
 ペニーレインでバーボンを 酔いつぶれてゆくのも拓郎だ
 ぼくはもう二年間禁酒しているが酒がないと
 ずいぶん淋しい
 美は痙攣であると
 ブルトンはいっている
 脳髄の痙攣
 酒をのむことはあなたのなかにもぐりこむことだ
 あなたの胸のなかに飛び込む
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