罪にもいたらず/メチターチェリ
嵐の夜である 怒号のごとき轟音をおかし、風神が迫ってくる
木々はざわめき 雨粒が塵界を激しく撃つ
石が転がる トタンが舞う 風見鶏が忙しくはばたく
血気はだえに迫るいきおい
カンカンカンカンカンカンカン………………
何かが激しく欄干をぶっている
不断の動揺を伝えている
こんな夜は人を異様な気持ちにさせる
もうひと月 彼はベッドに横になったまま考えた
考えることといったら真剣だが
その実、行動の伴わないことばかり
断片的な抱負が胸中を交錯している
できれば稼ぎたいと思いながら
稼ぐためには働かなければならず
わずかばかりの日銭のため
労働に雇われるのは役不足
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