少年を空に/番田
夢の世界は
無くなったのかもしれない港に
言葉の存在を追い求めた つぶやき
水の粒たちだった
暗闇のひとつすらなく
思いを似通う声などなかった
そうではなく
それは 人の体などではない
何でもない色彩を流れる会社の空に
日本の会社を思い浮かべた
欧米における経済の性質の違いは
削り取られた思いのなせる組織だということを
飛行機に乗せ 突撃していった少年から
受け取った思いを 僕は生きているのだろうかと
思う森の中に犬が巡っている
夢を回しているのは寂しさだ そう信じたいけれど
血に朝や最終電車の影を まみれた
挙動をなくした糞みたいな 僕は
糞みたいに 声が必要だった
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