回転の理由/________
 


もうほんとうはわたしに
必要な言葉なんてないのだと思う
ただ
意味もなく泣き出してしまいそうな
きもち、
きもちを
持て余している

ただしい丸を形作る粘土
を乗せて回転するろくろ
もう少しで完成しそうなのに
おずおずと触れて、それを歪ませてしまう
そうすると
あんしんするようだった
ろくろをまだ止めないでいられる
立派な理由になるのだった



それは
行き場のない悲しみだ
ぐるり、ぐる、からだじゅうをかけめぐる
代わりについてみたためいきは
結局
いつか
わたしの頬をなでる寂しい風になる
それは
どこにも追い出せない悲しみ
この先
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