桜/桜 歩美
私は生きていく
世界でたった一人の息子を生んだから
息子という命をここに産み育てるというお仕事を
神様から頂いた
望んでも望んだ人すべてが叶う夢ではない
私はそのありがたい贈りものを頂けた
息子は4年生になってより逞しい
でも変わらず優しくかわいい
新学期でもにっこにこの笑顔満開で
不安顔など一切見せない君の強さを
母は見習います
桜が満開でも
桜咲く季節が近づくことが
不安でしかない私に
それでも桜が満開になれば
桜がきれいで素晴らしいことを
今日も君は教えてくれた
「ほら、お母さん。桜がいっぱい咲いていてきれいだね。
今年も一緒に写真撮ろう^^」
そんな言葉を私にくれる
君は素晴らしい
私は抱えていた不安がその一言で全部吹き飛んでしまい
いつのまにか笑顔になっていた
君が生きることを教えてくれる
私が生んだ君が
私に生きるを教えてくれる
今日の桜に
今日の君に
ありがとう
戻る 編 削 Point(4)