オドゥ山統一展望台から見る詩/はらだよしひろ
牛車を曳く農夫
遠くを望む展望鏡のすぐ目の前には
トーチカが控えていて
漢江は緩緩と流れている
車は無く、舗装された道さえ知らないであろう人々が
彼らは幸せを感じているのだろうかと思えるほどの
陽射しの中で、確かに歩いていた
ここでは小学生達が野外学習なのだろうか
はしゃいでいた
昔、銃を向け合ったこの場所で
展望鏡を覗く眼差しが向ける悲しみとはよそに
ここのすぐ周りの木々は春に息づいて
花を彩っている
漢江の向こう岸には、山に木さえ生えていない
それでも長閑な時なのだろう
犬を連れて散歩する夫婦を見受けた
この国では向こう岸にある国をプガンと言
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)