群青のサンドウィッチ/吉岡ペペロ
 
ヨシミはカワバタとユキオのどちらが好きなのかを考えたことがない
ユキオとサヤマのときは考えてもいたような気もする
カワバタに借りたプルートウというマンガを読みながらその考えたこともないことをはじめてヨシミは考えていた

さっきカワバタからメールがあった
うなされていたらしい、それで起きてしまったのだそうだ
ふとんをかけてあげるからゆっくりねむりなさい、といってあげた

群青いろのにしてな、

群青いろのではさんであげる、

サンドウィッチみたいにな、

食べてあげるよ、

群青いろにはさまれているカワバタを想像した
ヨシミはそれを飲み込むようにしてひとくち食べた
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