春の入り口/
within
春に体は押し返され
弾みで乾いた鱗が
ばさらばさらと足元を埋める
みだりがわしい温度に
誘われるまま
感知信号に止められて
まるで自分が分銅になった気がし
もう死んでしまったのかと思う
青信号になっても
浮き立たないブイにしがみつき
口をパクパクと
水が肺に入ってゆく
横を巨大な鉄塊が追い抜いていく
彼は生きてもいないのに
ずっと僕をおびやかす
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