ホームレス状態の人のこととか/真島正人
スの人にダンボールをあげているのを見かけたことがある。
※
これまた失礼な話かもしれないが、ホームレスで思い出すのは、あのダンボールの家だ。
大学受験の頃、よく話題に上った。
というのも、受験の役に立たない、テストに出そうにない本ばかり読んでいて緊張感のない僕に友人たちは、「お前みたいに夢想癖のブンガク好きは、いい大学にいけなくて将来困るぜ。お前のゆくゆくはホームレスやなぁ」とよく笑いかけた。
僕はそのたびに「へ、へへ、でっかいお家立てるでぇ……ダンボールのナ」と答えたものだ。
考えてみりゃ、基準によりゃ失礼かもしれないだが、実際口に出していた言葉だから、隠しようはない。
正
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