桜/
ホロウ・シカエルボク
はなびらが
寝返りを打つようにはらはらと舞い
水溜りの中に沈んでゆきました
ささやかな溜まりでしたが
薄紅を殺すには
それでも充分なくらいでした
わたしはベンチに腰をおろし
ぼんやりと桜を見ておりました
空はまだ薄曇りで
どうしてこんな日に
きれいに晴れてくれないのかと
そんなことが少し
悔しくもありました
ねえ
桜ですよ
あなた
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