悪夢/……とある蛙
 
 
入ったときは営業職のエリートで

国内海外飛び回り、

買い付けた資源や文化の紹介

もちろん行かない所は無い、

西はジブラルタルの突端で
愛を語ったこともある。

東は経済の都ニューヨーク
カウボーイ気取りの赤毛野郎とも渡り合った。

ところがそのうち支店が閉鎖
日本に帰って 行くとこもなく
上司は挨拶すらしなくなり、

お茶くみ自分で行くしか無く、

海外に出たいと希望を言えば

マニラでたこ焼き屋でもやれば

単身赴任
一人でしかも観光ビザ
何が出来るわけでもなく
現地の病に冒されて緊急帰国も
職場放棄と揶揄されて

行く
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