くすんでないくすんでないくすんでないぞ/真島正人
 
{引用=

強力に肥大化された
扁桃腺状の
点々をたどって
歩いていく僕は小さく小さくくすんでいく
くすみきって泡になったら僕らは
母親と同体化するだろう
同体化した母の指が刃物を握る
それをどうするというのか



洗面所から噴出してくる
「水圧」
に仰け反ってしまった
ほとんど眠れなかった夜
本当はぐっすりと
ひそやかに眠っていた
では眠っていなかったのはどこの
どいつだというのだろう
またしても巨大な
うごめき
まるで筋肉が
隆起するかのような
そして
呼吸時の
横隔膜にも似た
「絶エ間ザル反復」



虹色の着物が着たかっ
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